|
内容記述 |
750×125粍飛行機用車輪の靜荷重試驗と落下荷重試驗とを行ひ,其の各々についてタイヤの負荷と撓み,吸收したェネルギ,内壓及び印跡面積等の關係を求め,兩試驗の結果を比較した.地面に封する車輪の傾きは兩試驗ともに0度の場合と,7.5度の場合とについて行ひ,靜荷重試驗に於けるタイヤの初壓は1,2,3,4及び5瓩/糎^2とし,撓みの爲にタイヤの上面が輪體(リム)に接近するまで負荷を與へた.タイヤ殼壁の固さが負荷と(内壓×印跡面積)との關係に及ぼす影響を求める爲に,タイヤの内壓を大氣に通じたまゝ一回の靜荷重試驗を行った.任意の型の車輪,任意のタイヤ内壓力に於て,落下荷重と落下高さを與へて車輪の負荷倍數を求める計算式を示し,此の試驗車輪の場合の圖式解を求めて試驗結果と比較した.破壊試驗は,落下荷重により,内壓4瓩/糎^2,車輪の傾き7.5度の場合について1回行つた.落下試驗に於て,タイヤの負荷を求めるにはオツシログラフを用ひ,落下荷重の落下變位を正確に,時間は±1/(5,000)秒,變位は±0.1粍迄測定した.之を圖上で二度微分して加速度を求め,負荷を算出した.落下試驗の場合に於ける内壓の測定には,精度±0.01瓩/糎^2,自己振動數毎秒500以上のラヂオ壓力計を用ひた.此等の靜試驗結果を今日迄に行はれた最も信頼しうる車輪試驗,即ち獨逸航空研究所(D.V.L.)で各種寸法の車輪について行つたものと比較した.試驗の結果次の如き結論が得られた.1靜荷重試驗の場合には荷重後暫く撓みは増加し,約1分30秒經てば大體一定の値を示す.2荷重試驗に於ける7.5度程度の車輪傾きの影響は僅少である.3靜試驗及び落下試驗中のタイヤの内壓の上昇は内壓の低い場合でも30%以下のものである.落下試驗の方が幾らか大きい内壓上昇を示す.4タイヤの荷重は印跡面積×内壓よりも稍大きい(1%~10%)これはタイヤの殼壁の固さの影響である.5落下荷重及び落下高さを與へて車輪の負荷倍數を計算及び圖式で求めた,それは落下試驗に於て實測した負荷倍數と略々一致する.6破壊試驗に於て,車輪は地面との傾き7.5度,落下荷重550瓩,落下高さ27糎のときに破壊した.リムの上部が10粍程凹み,スポークが全數の1/3程弛んだが,タイヤは破壊しなかった.7落下試驗結果より求めた負荷と撓みとの關係は靜試驗の場合と大した差を示さない.前者の撓みは低壓の場合には後者より稍小(4~8%)であるが,高壓の場合には後者と殆ど等しいか又は多少之と逆の傾向を示す. |