@techreport{oai:jaxa.repo.nii.ac.jp:00044615, author = {田中, 敬司 and TANAKA, Keiji}, month = {Jun}, note = {普通,航空機の動特性は,通常の飛行状態においては安定なものである。しかし,VTOL機のホバリングや遷移飛行時,およびヘリコプターのホバリングや低速飛行時には不安定な特性をもつことがある。こういった特性は普通自動安定化装置によって改善されているが,自動安定化装置が故障した場合の航空機の特性は元の動特性に戻ったり,あるいはそれより更に不安定な動特性を持ったりする。こういう時,パイロットは手動によりかかる不安定な機体を操縦して,パイロットと機体自体を含めた全体の系を安定にして機体の姿勢を保持する必要がある。それゆえ,パイロットと機体を含めた系が安定になるように注意して航空機の設計をおこなわなければならない。したがって,航空機設計の一資料としてそのような時の人間の特性がどのようなものであるか,また,どの程度の不安定な機体まで手動による操縦が可能であるかについて資料を得ることが重要な問題であると考えられる。2次の振動する不安定系を制御している場合の人間の特性に関し,その特性を伝達関数の形で表した場合,経験的,および理論的に,2次の進み項が存在するであろうということが今迄に指摘されてきた。本報告では,第1部で,不安定系を制御している場合の人間の伝達関数に2次の進み項が存在することを実験的に明らかにし,第2部で,被制御系の特性をいくつか選んで変えた場合のそれぞれに応じた人間の制御特性の変動を調べた。このような実験的検討を通して,今迄多くの人々によって論じられてきた進み項の役割を再検討し,手動制御の制御限界に関する知見を得ることを目的とした。その結果,実験1によって(本文第1部記載)1)2次の振動する不安定系を制御している場合の人間の伝達関数に2次の進み項を入れる方が適当であることを確認した。また,実験2によって(本文第2部記載)1)制御が難しい場合は,人間の記述関数を1つの線形な式で近似することがかなり困難であることが認められた。そこで,かかる場合は,低い周波数領域と高い周波数領域で支配的な関数とに分けて,2つの記述関数を求めると近似度が高まることが示唆された。このことは,高い周波数領域で支配的な人間の制御特性が非制御系の発散を押えているものであり,他方,低い周波数領域で支配的な人間の制御特性が制御のパフォーマンスを高めるものであることを意味すると考えられる。2)被制御系の特性と,人間の制御特性との間に以下の様な関係があることが明らかになった。すなわち,2次の進み項は被制御系のダンピングには依存しない値をとること。1次の進み項やむだ時間は必ずしも安定化に最適の値はとらないが,被制御系の安定度が悪化するにつれ,系全体の安定度を増すように変動すること。以上の結果を得た。今後,これらの結果をもとにして,人間の非線形性に基づいた別の解析法によって,これらの現象を解析してゆくことが課題として残されている。, 資料番号: NALTR0367000, レポート番号: NAL TR-367}, title = {不安定系の手動制御}, year = {1974} }